今回は、個人のお客様よりご依頼いただきました、創作小説に登場する女性キャラクター『サンドラ』の立ち絵(キャラクターデザイン含)制作の裏話をお届けしたいと思います。


今回のコラムアシスタントを務めるしゃお*です!
よろしくおねがいします!
【打ち合わせ⇒ラフ画】キャラクターデザインが決まるまで
ご依頼のメールをいただいた後、スケジュールが空いていたらお仕事としてお受けする前提で納期と金額のお見積りのお返事をいたします。
お互いOKであればそのまま打ち合わせ(今回はすべてメールです)、お支払いの確認を行います。
ご依頼の流れの詳細はORDER《ご依頼の流れ》をご確認ください。
キャラクターデザインを含むイラスト制作の打ち合わせでは、まずお客様からメールにて出てくる限りの設定を教えていただき、それを元にラフの初稿を描きます。
すぐにメールで質問をお送りすることもありますが、大体ラフを描いている際に不明点や足りない点が出てくるので、初稿の確認と同時に質問事項もお送りすることが多いです。
ラフ初稿
初稿では、顔・衣装デザイン(前後)・立ち絵の構図ラフの3点をお送りしています。
物語で詳細な描写を行う可能性があるため、構造が一目でわからない衣装に関しては簡単な構造イラストも添えます。
お客様の解釈に委ねるという選択もアリですが、構造のわからないものは描きづらいので後の自分のためにもここは丁寧にやります…

- 洋風ファンタジーの世界でありながら、日本の平安時代、陰陽道に似た文化を持つ国の”符術士”という国家公務員。
⇒ファンタジーをベースに陰陽師の装束っぽさをプラス。あと「官職といえば」この帽子。 - ある程度大人でかっこいい系の女性。
⇒髪型や顔のパーツ、アクセサリーはシャープ目に。 - 環境がちょっと人を食ったような性格にさせてしまった
⇒垂れ目+キリ眉はそういう表情をさせやすい - すでにキャラクターデザインがFIXしている妹がいるので、その絵と並んだときに違和感のないデザインであること。
⇒妹の絵から瞳と髪の色をスポイト。また前髪の生えグセを同一に。 - 髪色、イメージカラーは大まかな指定があったのでそれに準じ、バランスの良いサブカラーを使用
ちなみに、ラフはカラーでかつ色分けも明確にして描いておいた方が初期からイメージが掴みやすいので、戻しが少なく、後のフローがスムーズに進む気がします。
初稿の確認後…
所々「キャラクターらしさ」を表現できていたものの、まず和風が強すぎて同じ作品内のキャラクターである妹と並ぶと違和感がありました。
また、符術士の衣装は平安時代の着物にファンタジー要素をプラスしたのですが、お客様の中で陰陽師だけではなく道士や軍服、フォーチュンテラーなどが混ざっていたようで、どうしても陰陽師だけでは違和感があったうようです。

バックグラウンドのストーリーにどこまで踏み込んでいいのか
っていうのは難しい問題だよね
そうなんです……
そこで、今回はお客様の中でもイメージが固まり切ってなかったようなので、たくさんリファレンスを集めて「こんなイメージ?」「この衣装のここに注目している」みたいなものを共有できるイメージボードを作ってお送りしました。

へぇ〜!いいね!効果はどうだった?
そのあとすぐに考えをまとめられて、共有いただきました!
創作とはいえ一人で全部考えるのはしんどいですし、せっかく依頼していただいているので、最終制作物だけじゃない何か、依頼して良かったと思ってもらえるものもお渡しできたら良いなと思って制作しています。
ラフ第二稿
お客様がまとめた文章と共にいただいたラフイメージのアイデアを盛り込み、再度デザインを起こしたものが第二稿になります。

キャラクターデザインを含むイラスト制作の場合、制作期間の半分はラフ画とメールのやりとりに費やしています。

ちなみに、何回まで修正してもらえるの?
いくらでも!納得いくまでラリーします。
ただ、あんまり続くとお互いにまったく得がないので大体2,3回で決まるように頑張っています(笑)
今回は第二稿でキャラクターデザイン・立ち絵のポーズが決定いたしました。
【線画、着彩】納品まで
線画
キャラクターデザインが決定したので線をクリンナップいたします。
今回は厚塗り風で着彩予定なので、服の模様やシワなどはあまり描かず、線画はシンプルめになります。
こちらで再度お客さまにご確認いただき、次の工程へ進みます。

着彩、納品後のイラストはこちら
